家内労働法の概要 厚生労働省HPより

◆ 家内労働法では、委託者や家内労働者に対して次のような義務が定められています。

内職には「労働基準法」が適用されません。ここで取りあげている「家内労働法」という法律が適用されます。この法律については、委託者と家内労働者双方が知っておくべきことが書かれていますので、お互いに理解して納得することでよりスムーズに内職をすることができます。家内労働法のなかで、特に知っておいたほうがいい4つのこと、1家内労働手帳のこと、2工賃支払い・時期のこと、3最低工賃のこと、そして4労災保険のことをまとめてみました。

1 家内労働手帳

委託者は、家内労働者との間のトラブルの発生を防止するため、仕事内容、報酬等の委託の条件を明記した家内労働手帳を委託、物品の受領又は工賃支払のつど、家内労働者に交付しなければなりません。家内労働手帳は伝票式の様式が定められています。

委託者と家労働者の間でのトラブル発生を防ぐために、委託者には「家内労働手帳」の配布が義務付けられています。金銭上のトラブルや業務にまつわるトラブルを防ぐために重要な役割を果たします。(公財)大田区産業振興協会のご指導で、内職開始時にお渡しするようにしています。その都度記録をとられている外注さんもおりますが、現状は十分に活用されているとはいいきれません。

記入されるべき項目は以下のとおりです。
・家内労働者の氏名
・委託者の氏名
・営業所の名称・所在地
・工賃の支払い方法
・その他の委託条件等
・委託義務の内容
・工賃単価
・工賃の支払い期日
・納品の期日
・受領年月日
・受領した物品の数量
・支払年月日
・支払工賃額
伝票式家内労働手帳モデル様式

2 工賃支払いの確保

 

(1) 工賃は、原則として、現金で、その全額を支払わなければなりません。
ただし、家内労働者の同意がある場合には、郵便為替の交付、銀行その他の金融機関に対する預金又は貯金への払込みによって支払うこともできます。
(2) 工賃は、家内労働者から製品を受け取ってから1か月以内に支払わなければなりません。

半年先の依頼仕事もこなしているために、どうしても外注工賃の財政的負担が大きくなります。現状は、末締めの翌々月の7日(37日待機)にお支払いをお願いしていますが、末締めの翌7日(7日待機)の支払いもありますので、お仕事開始時にご相談したいと思います。

お支払いは基本的には現金になりますが、遠方者には振り込み(振込手数料は当社負担)を使わせてもらっています。また年度末に年間実績の支払い証明書の発行や行政機関に提出する支払い証明書も、その都度発行していますのでご相談ください。

 

3 最低工賃制度

最低工賃とは、ある物品について、その一定の単位ごとに工賃の最低額を決めるものです。厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、一定の地域内で一定の業務に従事する工賃の低い家内労働者の労働条件を改善するために必要があると認めるときは、審議会の意見を聴いて、家内労働者と委託者に適用される最低工賃を決定することができます。最低工賃が定められている業種・地域にあっては、委託者は最低工賃額以上の工賃を支払わなければなりません。

最低賃金は都道府県別・業種別に定められていますので確認するようにしています。
 最低工賃制度の概要

4 安全及び衛生の確保

仕事による災害を防止するために必要な措置を講じなければなりません。
安全衛生に関する措置の概要

5 届出

(1) 委託状況届の提出
委託者は、委託する仕事の内容や家内労働者数などについて、家内労働法にいう委託者になった場合には遅滞なく、それ以後は毎年4月1日現在の状況について4月30日までに、委託者の営業所を管轄する労働基準監督署に届け出なければなりません。委託状況届はオンライン電子申請も可能です。
Excel 様式第2号 委託状況届 [27KB]
PDF 家内労働者に発注する委託者の皆様へ [703KB]

(2) 家内労働死傷病届の提出
委託者は、家内労働者又は補助者が委託した業務に関し、負傷したり疾病にかかったりして、4日以上仕事を休んだり死亡した場合には、速やかに委託者の営業所を管轄する労働基準監督署に届け出なければなりません。
.Excel 様式第3号 家内労働死傷病届 [28KB]

6 帳簿の備付け

委託者は、家内労働者の氏名や工賃支払額などを記載した帳簿を備え付けておかなければなりません。また、この帳簿は最後に記入した日から3年間保存しなければなりません。
Excel 様式第4号 帳簿 [24KB]

家内労働者は、「自営業者」の性質を持つ一方、経済的に委託者に従属した「雇用労働者」である側面を持ち合わせています。当社にあっても家内労働法は、立場・経済的に不安定な家内労働者を保護する目的で存在していることを常に意識するように心がけたいと思っています。これから当社の外注さんとして内職をされるときは、家内労働法の知識もしっかり身につけておくようにしてください。